2009年6月9日火曜日

「をちこち」歌舞伎特集

国際交流基金の雑誌「をちこち」は、カラーグラビア4頁を含む59頁を費やして、
「世界と出会う歌舞伎」を特集しています。
私は、「『NINAGAWA 十二夜』は、恐れを知らぬ冒険か」と題した文章を寄せるとともに、
市川亀治郎さん、尾上菊之助さんとの鼎談に参加しました。
鼎談は、国際交流の話にとどまらずに、歌舞伎の本質とはなにかについてまで、話が及びます。
亀治郎さんの「型に気持がついて行くのは、僕は歌舞伎の本来の姿ではないと思います」
菊之助さんの「型というものが、内面を覆ってしまっている膜のように少しなってしまっているということも、海外にいって初めてわかりました」
との発言をはじめ、突っ込んだ議論ができたのも、紙幅をたっぷり与えてくれた編集部の尽力があってのことです。

装置家の金井勇一郎さん、演劇学者の河竹登志夫さんのインタビューも掲載されていて、
読み応えがあります。

これだけの内容で、500円ですから、扱いの書店が少ないのが残念です。
巻末を見ると「本誌購読ご希望の方へ」との案内がありました。
最寄りの書店に問い合わせるか、発売元を引き受けている山川出版社に申し込めばよいそうです。山川出版社の連絡先は、03−3293−8131です。
都内の書店では、八重洲ブックセンター、ジュンク堂(池袋、新宿)、三省堂(神保町)、岩波ブックセンター、紀伊國屋書店(新宿本店、南店)、東京堂神田本店、有隣堂本店があげられています。

7日に新橋演舞場はす向かいのカフェ・ド・クリエで、『NINAGAWA 十二夜』初日、昼の部の開演を待っていました。
顔見知りのご婦人が「をちこち」面白かったですと声をかけてくれたのも、読者と接する機会のあまりない批評家にとっては、めずらしい体験でした。