tag:blogger.com,1999:blog-16189609785049832932024-03-06T00:22:13.562+09:00シアターゴーアー・ディレクトリー演劇評論家長谷部浩のサイトですHasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comBlogger73125tag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-48714161042352801542011-10-23T19:50:00.000+09:002011-10-23T19:50:07.435+09:00言葉と身体の反復について俳優の身体を限界にまで追い込む手法自体は、とりわけめずらしいわけではない。けれども、それが台詞と身体の反復とともに行われたときに、不可思議な地平が開けているように思った。
しかも、その台詞と身体は、ラップとともにあり、歪みが与えられている。ナチュラルな表現を捨て、二回三回、いや十回十五回と繰り返されているときに、呪術的な性格を帯び始める。まるで都市の闇のなかに、呪われた人間たちが囚われている。その囚人たちのうめき声、もだえる姿を見せつけられているかのようだった。
マームとジプシーの『Kと真夜中のほとりで』(作・演出/藤田貴大)は、三年前、湖のほとりに靴を残したまま消えてしまった少女をめぐって、真夜中の時間をカウントしながら、人々がこの町の闇をぬっていく姿が、描かれている。しかも、その表現は、先に書いたように、方形のリングを主舞台としながら、、息をつかせぬ表現として叩きつけられている。
私は、ローザスや黒田育代を思い出しつつも、この切迫した舞台が、まぎれもなく私たちの今を切り取っていると思う。少女は、おそらくは死んでしまった。けれど、ここに重畳する人物たちは、言葉としての「死」を一言も口にしない。「死」と音にしてしまえば、何かが崩壊してしまう。今、私たちが向かい会っている「生」を保つことさえ、できなくなってしまう。人々は「K」を記憶し、探し続けることによって、かろうじて今を生き続ける。この町にとどまるべきか、去って行くべきかを考え続ける。
Kの兄かえでを演じた尾野島慎太朗、りんこの成田亜佑美、そのこの吉田聡子らのその汗は、なんと輝かしいことか。アスリートの汗がときに神々しいまでの輝きを帯びるように、マームとジプシーの俳優たちは、この舞台を行く抜こうとしていた。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-9193210397907187272011-01-15T00:56:00.001+09:002011-01-15T00:56:19.664+09:00Untitled<div class='posterous_autopost'><p><a href='http://posterous.com/getfile/files.posterous.com/temp-2011-01-14/ermDJCpxHaxxcbsfFzCJHzmnplDBoautiviwlztcexdzkdqjxCpioqacybaG/IMG_0801.JPG.scaled1000.jpg'><img src="http://posterous.com/getfile/files.posterous.com/temp-2011-01-14/ermDJCpxHaxxcbsfFzCJHzmnplDBoautiviwlztcexdzkdqjxCpioqacybaG/IMG_0801.JPG.scaled500.jpg" width="500" height="375"/></a> </p></div>Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-13478594472593753852010-11-05T01:20:00.001+09:002010-11-05T01:20:16.976+09:00in my office with bike<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/5135209735/" title="photo sharing"><img src="http://farm5.static.flickr.com/4061/5135209735_b2597312be_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/5135209735/">in my office with bike</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe.hiroshi</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-20668246442197310412010-11-05T01:19:00.001+09:002010-11-05T01:19:23.740+09:00FlickrThis is a test post from <a href="http://www.flickr.com/r/testpost"><img alt="flickr" src="http://www.flickr.com/images/flickr_logo_blog.gif" width="41" height="18" border="0" align="absmiddle" /></a>, a fancy photo sharing thing.Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-40794990555922886812010-11-05T01:18:00.001+09:002010-11-05T01:18:03.182+09:00grapes<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/5093358867/" title="photo sharing"><img src="http://farm5.static.flickr.com/4133/5093358867_77884eeaf3_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/5093358867/">grapes</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe.hiroshi</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-89591972269550945512010-09-16T14:14:00.001+09:002010-09-16T14:14:44.608+09:00『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』の仕事を終えて『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』(岩波書店)が、この十四日、書店に並んだ。二年ほど前に、『坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ』をやはり編者としてかかわったので、三津五郎さんとの仕事は、二度目になる。<br />前回が歌舞伎の広大な領域について、網羅的に伺ったとすると、今回は、歌舞伎舞踊、日本舞踊に絞り、しかも、三津五郎さんが家元であることから、坂東流が大事にする演目に焦点を合わせた。<br />こうした本ができたのは、偶然ではない。この数年、三津五郎さんの踊りを観ていると、規矩正しく、見事なものだと感心することしきりだった。踊りとしてすばらしいことはわかる。評を書くことにはためらいはないのだけれど、その身体、その精神のなかで何が起こっているのかを知りたいと思った。<br />前作、『歌舞伎の愉しみ』は、様式的、身体的な演劇だといっても、物語があり、言葉が中心であった。けれども、今回の『踊りの愉しみ』は、詞章があり、音楽があるとはいっても、あくまで身体表現が中心である。その動きの原理を言葉で問い詰めるのは、困難がともなう。インタビューをしつつも、三津五郎さんと私で、「これで伝わるのだろうか」と何度も何度も、話し合いを続けた。<br />インタビューが終わり、いざ活字に起こす段になっても、「あの」「この」がやはり続出していて困難をきわめた。取材の現場では、ちょっとした目の動き、手の動き、あるいは実際に型を見せて下さることで、つい納得していたことを、文字で再現しなければならない。今回は渡辺文雄さんの舞台写真を数多く収録したが、舞踊を文字で伝えるむずかしさをおぎなうためだった。<br />むずかしさばかり良い連ねてきたけれども、取材そのものは、驚きと発見に満ちて、楽しいものであった。舞踊のありかたについて、教えられ、考え込まされることしきりだった。私は幸運な一年あまりを過ごした。こんなに舞踊の実際について、考えることはもうないだろうと思う。それほど濃密な月日だった。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-84354103841708411032010-07-01T00:50:00.001+09:002010-07-01T00:50:53.243+09:00My doughter<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4748738429/" title="photo sharing"><img src="http://farm5.static.flickr.com/4073/4748738429_6ebd8259be_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4748738429/">My doughter</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe.hiroshi</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-45960681513520870942010-06-01T00:34:00.011+09:002010-06-01T01:02:21.823+09:00歌舞伎変身の技法東京芸術大学では以下のように、特別講義を行います。<br />身体表現、演劇などを活動領域とされている方にとってはまたとない機会となるかと存じます。<br /><br />研究者、他大学の学生の方々に限り、受け付けいたします。<br />聴講希望の方は助手安田までメールにて御連絡下さい。<br />(先着50名程度とさせていただきます)<br /><br />ご希望の研究者、学生は、お申し込みの上、入場整理券をプリントアウトしてお持ち下さい。<br />詳細は、返信のメールにてお知らせいたします。<br /><br />講義の詳細につきましては下記をご覧下さい。<br />聴講希望の御連絡、お問い合わせは<br /><br />メール:akat☆mac.com(安 田)☆→@<br /><br /><br />五代目尾上菊之助特別講義<br /><br />東京芸術大学美術学部先端芸術表現科 共通レクチャーシリーズ第二回<br />担当教員:長谷部浩(先端芸術表現科教授)<br />講師:尾上菊之助(歌舞伎役者)、杵屋巳吉(長唄三味線方)<br />日時:6月9日(水曜日)二限 午前10時40分より<br />場所:東京芸術大学上野校地 音楽学部 第6ホール<br /><br />題目:「歌舞伎 変身の技法」<br />内 容:現代を代表する歌舞伎若手花形、尾上菊之助が、「変身の技法」をテーマに行う特別講義。男性から女性への性の横断、その早替りが演出の核となってい る歌舞伎の技法について、黒御簾音楽とのかかわりを含めて、デモンストレーションとともに、その表現のさまざまなありかたについて講義を行う。<br /><br />プログラム、細目<br />○プログラム1 「歌舞伎の役々について」(15分)<br />五月大阪松竹座で尾上菊之助は、『摂州合邦辻』の玉手御前、『十種香』の濡衣、『京人形』の京人形、『髪結新三』の勝奴と、女方、立役―芝居、舞踊の領域を超えて、さまざま役をつとめた。そ れぞれの役を勤めた結果をお話しする。<br />○プログラム2 「歌舞伎の「出」について」(20分)<br />歌 舞伎は黒御簾音楽をはじめ、義太夫、常磐津、清元などの音楽にのって、花道からの「出」が表現の場として大きなものとされている。出では、台詞の表現に 先立って、性根を作り、ただその場にいるだけで、役のすみずみまで語り尽くすことが求められている。今回は、娘方、若衆、二枚目の三例をとって、その 「出」を再現してその違いを比較検討する。<br />○プログラム3 「世話物と黒御簾音楽について」(20分)<br />『弁天小僧』を例にとって、台詞と音楽の関係について、検証する。<br />○プログラム4 舞踊の実際について(20分)<br />『京鹿子娘道成寺』(鞠唄)の部分を素踊りでデモンストレーションする。音楽研究科博士後期課程在学の金子祐木(花柳美輝風)、菊之助の順で、同じ部分を 踊る。歌舞伎俳優と舞踊家、女方と女性舞踊家の違いを検証する。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-57079607619303759002010-05-16T16:33:00.003+09:002010-05-18T01:45:43.678+09:00新聞評の役割について 東京新聞の歌舞伎評を担当して早くも二ヶ月が経過しようとしている。<br /> 歌舞伎座最後の月からはじめたのは、なにかのめぐりあわせだと思い、自分を叱咤激励してきたが、四月に三本、五月に三本、書き終えた時点での感想を書き残しておく。<br /> 新聞劇評は、公演がまだ継続しているうちに出るのが値打ちという考えもあるだろう。つまりは、観客がその芝居を観に行くか、やめておくか判断材料を提供するためにある。それもひとつの役割だろうと思う。ただし問題もある。欧米の劇評のように、初日の翌朝には、劇評が新聞に掲載されるようなシステムが、東京新聞にかぎらず、すべての新聞でできていない。そのために、掲載日によっては、公演のなかばどころか、終了後に掲載させる場合もでてくる。そのとき、観るか観ないかの判断材料とする意味は、ほとんど失われてしまう。<br /> しかし、考えてみれば、新聞に掲載されている各ジャンルの評のうち、このような役割を与えられているのは、歌舞伎とミュージカル、現代演劇の代表的な舞台に限られる。現代演劇でいえば、蜷川幸雄、永井愛、三谷幸喜、野田秀樹ら一ヶ月公演が維持できる限られた少数の舞台にのみ、評がこのように機能している。<br /> クラッシックのみならず、ポピューラーをふくめてコンサート、落語、能、狂言は、ほとんどが一日限りの公演であり、新聞評を読んで、舞台に足を運ぶようなシステムにはなっていない。<br /> 紙媒体からインターネットへ新聞が完全に軸足を移す時代がくれば、ほとんどすべての舞台について、初日の翌朝には評が掲載させる時代がくると思うが、その場合もコンサートなどは、原理的に公演終了後の掲載となる。<br /> だとすれば、劇評に他の役割を考えるべきだと思う。ひとつには歴史化の作業である。この年、この月、この日に何が世界で起こっていたかを後世の人々が研究するときに、横断的なアーカイヴとして、新聞を検索する日が近づいている。そこでは、歌舞伎やクラッシックの狭い世界の論理ではなく、その舞台がいかに現代社会にとって意味を持っていたか、いかに世界に対して開かれていたかが書かれるべきではないか。<br /> もとより、評論は、観客動員のための道具ではない。<br /> 後世などどいうのは、もちろんおこがましいと思うが、少なくとも、観客が自分の目で立ち会った舞台が、他者によってどのように写っていたのか、自他の目の違いを確認する場でありたいと思う。また、望むらくは、ふと評を目にしてしまった人々が、そのジャンルに興味をもつきっかけとなればいい。そう願っている。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-79318061608284019932010-05-01T16:21:00.003+09:002010-05-01T16:26:08.012+09:00歌舞伎座のない歌舞伎時代歌舞伎座のない歌舞伎時代<br /><br /> 三年間ではあるが、歌舞伎座のない歌舞伎時代に入った。もっとも大きな問題は、現在のところ、他の劇場で一幕見の制度が設けられていないところだと思う。<br />学生のとき、三階のB席で観るのがもっとも多かったが、もう一度観たいと思った演目は、一幕見を利用して二度三度、見直すことが多かった。<br /> まして現在のような経済状況だと、歌舞伎の価格設定で、三階とはいえ二度三度見ることのできる若い世代はなかなかいないと思う。<br />たかだか、三年ではあるが、この空白のなかで、歌舞伎を集中的に観たい観客にとって、一幕見の欠如は痛い。<br /> 昨日、東京芸術劇場の芸術監督となった野田秀樹の事務所をあずかるプロデューサーと話していたが、現代演劇においても、チケット代の高騰によって、若年の演劇離れが著しく、なんらかの対策を打たなければいけないという話になった。<br />歌舞伎においても、同様の問題が起こっている。<br /> 現代演劇に較べると演じる側の世代交代は、着実に行われてるにもかかわらずに、観客を育成する方策に欠けている。<br /> 不入りの公演で、関係者をたどり切符を幕のではなく、すべての公演で、アンダー18、ないしはアンダー22を半額にするなど、思い切った方策が必要なのではないか。<br />この決断に踏み切ることが、次の十年、二重年の観客を育てるために有効な策である。このために公的な助成を入れることは、会社の自主性をそこなうものではない。<br /> 私自身も働きかけをしてみようと思う。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-8712691139885927392010-05-01T00:43:00.002+09:002010-05-01T00:56:14.965+09:00歌舞伎座閉場式について歌舞伎座の閉場式を観てきた。<br />閉場式を昼の部、夜の部と二度行ったことで「式」ではなく「興行」となった。<br />それは、いくら観客のためと強弁しても、否めないことだと思う。<br />だとすれば「興行」として、実質がともなっていたかである。<br />これは否定さぜるをえない。<br />もとより、「ご挨拶」「口上」「歌舞伎座手締式」が、興行の実質を担うと思っている人間はいないと思う。<br />歌舞伎座に私も感傷はあるが、それ以上の意味はない。<br />だとすれば、「都風流」「京鹿子娘道成寺」に、そのような実質がとなわっていたとは、とても思えない。<br />「都風流」は、素踊りの大顔合わせにすぎない。<br />劇界の内実を知る人からいえば、吉右衛門、勘三郎のツレが実現したとの感慨はあるとしても、舞台としての実質はない。<br />「京鹿子娘道成寺」にしては、だれも、本質を踊ろうとはしていない。<br />最後の「興行」のための自己犠牲であろう。<br />不毛の「歌舞伎座閉場式」が、閉じた。<br />30日には、何の意味もない。<br />28日の千秋楽を観た人々は、至福の快楽を味わったと思う。<br />そのことを確認できた「閉場式」であった。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-1385920938026108022010-04-25T13:34:00.002+09:002010-04-25T13:44:01.661+09:00新聞劇評はいかにあるべきか歌舞伎評を一ヶ月担当した。<br />実質的には、二劇場の歌舞伎を毎週土曜日三週にわたって執筆した。<br />三部制の歌舞伎座「お名残公演」を上下として二週にわたって書き、新橋演舞場「東海道四谷怪談」を三週目に出すというかたちである。<br />掲載順については、相談は受けたが、基本的に東京新聞の編集権の領域であり、私に決定権はない。この問題については、また、書く機会があると思うので、ここではおく。<br />筆者の立場として、まずつきあたったのは字数である。それぞれが700字という字数の制約があった。もっとも、歌舞伎劇評の通例では、昼の部夜の部を、一回の劇評で書く方が普通であろう。今月は、半日の芝居を一回で書くかたちだったので、まだしも余裕があった。<br />余裕があったはずではあるけれども、それでも駆け足の評であることは否めない。新聞評を終えた後に、雑誌「演劇界」の歌舞伎座評を十二枚、4800字で書いたが、少なくとも意を尽くせたとの思いがあった。これは私自身の慣れのせいかもしれない。<br />また、以前、現代演劇の新聞評を書いていたときは、一本作品を700字にまとめる仕事をしていた。このときも短いとは思ったが、まだしもである。<br />来月以降、ミドリの公演、昼夜一日の興行を、700字で書くとすると、なんらかの絞り込みや取捨選択を行わなければ、どうにも仕方がないと思う。現行の字数で、まんべんなくそれぞれの狂言について、平均的に書こうと思えば、寸評の域をでないからである。<br />寸評で「工夫がほしい」とか「成立していない」と理由を明示せず、断定されても、書かれた役者はもちろん、読者も納得できないに違いない。それには、絞り込みを行って、重要な狂言に字数を割く試みをはじめていこうと思っている。<br />ただ、そのような取捨選択を行い、たとえば一本もしくは二本の狂言しか扱わなかった場合、これはこれで、問題が起きてくる。<br />歌舞伎評は、観客動員のための道具に墜落してはならない。次の世代に対して、歴史化する役割を負っていると私は考えている。ただ、この歴史化には、評価の部分と記録の部分があり、取捨選択を行った場合、この記録の部分を犠牲にしなければならないという問題が起こってくる。<br />歌舞伎を取り巻くメディアの状況は、この五年ほどで大きく変わったと思う。以前は、新聞と専門誌が、この歴史化について大きな役割を果たしてきたが、インターネットの出現によって、マスメディアがネットに進出するのみならず、歌舞伎ファンのブログが数多く出来、それぞれが、評価と記録の役割を果たしている。このごろではTwitterの出現もあり、リアルタイムでの評価は、またたくまに浸透する仕組みが整備されつつある。<br />こうした状況の変化を受けて、新聞劇評が変わらなくてよいはずがない。<br />東京新聞は、地域紙であって全国紙ではない。ところが、ネットでの配信によって、全国のみなさんに読んでいただけるようになった。歌舞伎座閉場の三年間、どうしても東京中心だった歌舞伎公演が、松竹座、南座、博多座はじめ、地域での興行が多くなることは、当然予想される。地域の歌舞伎愛好家が多くなったときに、いかに情報を流通させていくか、みなさんの関心はどこに向かうのかを考えなければと思う。<br />○東京新聞のURLは、以下の通りです。伝統芸能のラインナップをご参照ください。<br />http://bit.ly/cbD57nHasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-12738169107640271372010-04-11T11:31:00.005+09:002010-04-25T14:04:46.358+09:00思い出のかけら ーー追悼 井上ひさし二五年あまりも演劇界にいるのに、井上さんとお目にかかったことは、ほんの数回しかない。一度は、紀伊國屋ホールでこまつ座の公演があったときの初日祝いの席で、もう一度は、公的な会議の席のことだった。<br />いずれも、パブリックな席だったので、親しくお話しすることはかなわなかった。私にとって井上さんは、あまりにも遠い存在だった。それは、国民作家として、日本の劇作を代表する存在だったことが大きい。私自身が、井上作品について、劇評をそれほど多く書いていないこともあった。これほど大きな存在に対して、私などが時間をとってしまうことへのためらいがあった。<br />遠くから見る井上さんは、からだの大きな人だなという印象だった。著書の印象からか、猫背で小さい人であるかのように思い込んでいた。けれど、実際の井上さんは、胸板も厚く、がっしりとした体躯であった。初日祝いの席には、大江健三郎さんもいらしていて、先に引き上げる大江さんを、井上さんがエレベーターホールまで送っていくのを見たことがある。知の巨人たちが、ふたりで立ち話をする姿は、感慨深いものがあった。<br />お目にかかる機会は、それだけだったが、実は個人的にお世話になったことがある。<br />長年勤めていた会社を辞め、フリーになったとき、人から、日本文芸家協会に入会したらとすすめられた。入会には会員の推薦が必要なので、面識もないのに、あつかましくも井上さんにお手紙を書いた。これこれこういう者なのですが、ご推薦いただけませんかというお願いの手紙である。<br />ほどなく、封書をいただき、ご快諾いただいた。その文面の暖かさが、フリーになった私にとってどれほど励みになったか。今も忘れない。<br />つい一昨日、永井愛作・演出の「かたりの椅子」を見た。新国立劇場の芸術監督交代の問題をモデルにした舞台である。<br />永井さんは、新国立劇場の遠山理事長と深く対立した。その件は、ここでは詳しく述べないが、その折り、井上さんが永井さんに「(この問題は)芝居にしたらどうか」と肩を推してくれたと聞いた。それがなければ、書けなかったかも知れないと、永井さんがおっしゃっていたのが印象的だった。<br />井上さんのことばの意味は大きい。どんな困難にぶつかろうと、それをそのまま書くのではなく、笑いと諧謔を織り交ぜて、きちんと作品にしておくのが大事だと、井上さんは永井さんに伝えたかったのだと私は思う。永井さんにはそれができると、井上さんは考えていたに違いない。井上さん、永井さん、それぞれの作風を考えると、そんなことばが確かなかたちで手渡されたのだと思う。<br /><br />近作の予定を勘三郎さんから聞いていた。<br />来年のコクーン歌舞伎は、井上ひさし作で、忠臣蔵の外伝を「歌舞伎として」やるのだという。この企画が決まったときの勘三郎さんが、どれほどうれしそうだったことか。このドリームチームによる舞台は、幻に終わってしまった。こうして残された私たちは、観ることができなかった舞台をこころの隅にかかえて、生き続けていかなければならない。<br />井上ひさしさんのご冥福をお祈りいたします。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-59379840324349141782010-04-09T14:23:00.003+09:002010-04-25T14:05:51.306+09:00玲瓏な玉 ーー菊之助の玉手御前七世梅幸の舞台写真集に『梅暦』がある。<br />撮影は、桑野常郎。一九九三年に源流社から<br />出版されている。桑野はここで、あえて舞台写真をモノクロームのフィルムに収めている。カラー全盛の時代に、あえてモノクロームを用いたところに、写真家の梅幸に対する評価が働いてるように思う。<br />桑野は、刊行に当たってと題したまえがきのなかで、以下のように書き記している。<br />「現在のフィルムでは歌舞伎舞台の豪華絢爛さと華やかな色彩の衣裳など、自分なりの色彩で表現しようと試みてもなかなか満足できない。『墨には五彩あり』で、モノクロームの世界にこそかえって色を感じ捉えられるのである。それに梅幸丈の舞台は、モノクロームで表現したほうがぴったり合うとの考えから現在まで撮影してきた」<br />折に触れて、この写真集を眺めてきた。<br />五月松竹座で、梅幸の孫にあたる菊之助が初役で、『摂州合邦辻』の玉手御前を勤めると聞く。<br />ふと思いついて、この写真集を取り出すと、ちょうど一〇〇頁にはじまり四葉の写真が収録されている。<br />はじめの一枚は、花道の出である。<br />〽しんしんたる夜の闇、恋の道には暗かねねど気は烏羽玉(うばたま)の玉手御前」<br />義太夫に乗って、片袖をちぎって頭巾がわりにした玉手御前が揚げ幕から登場する。<br />写真は、門口でたたずむ、梅幸を捉えている。闇の中に、頭巾のなかからぼっと白い顔が浮かび上がっている。恋やつれか、心労の果てか。まっすくに立ち、品位の高い玉手御前である。<br />撮影データによると一九七四年国立劇場の舞台である。母お得は、六代目菊五郎の相手役を勤めた菊五郎劇団の名女方多賀之丞が勤めている。<br />私はたまたまこの舞台を観ている。記憶の中にある梅幸の玉手御前は、濃厚な女の色気を放っていた。その濃度は牡丹のようでもあった。品位を保ちつつ、色気を放つ。この至難な綱渡りを梅幸は、いともたやすいことかのように舞台上に実現していたのを思い出す。<br />義太夫の詞章に「十九や二十(つづやはたち)とあり、十代の終わりとの設定だが、梅幸、歌右衛門の昭和を代表する名女方が競うように上演したために、政岡ともに、女方の最高峰とのイメージを私も持っている。<br />たとえば、現在、歌舞伎界を代表する坂東玉三郎も、意外なことに、この玉手御前は手がけていない。<br />玉三郎の技倆、貫目からすると、玉手御前が勤まらぬわけはない。それにもかかわらず、手がけないのは、梅幸、歌右衛門によって封印されてしまった演目と思われているのだろうか。<br />もちろん梅幸の長男、現・菊五郎は、何度も手がけているが、華がこぼれるような美しい玉手御前であった。<br />菊之助としては、大きな挑戦だろうと思う。けれども、役柄に近い現在の年齢でこの玉手御前の役を勤めることが許されるのは、菊五郎家の嫡子をもって他にはいない。玲瓏な玉のような玉手御前を見に、大阪へと出かけようと思っている。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-81339574770811440132010-04-02T18:31:00.003+09:002010-04-02T19:37:38.104+09:00抜歯という悪夢この痛みを忘れないうちに、書いておこうと思う。<br />発端は、紀伊國屋演劇賞の贈賞式である。審査員の末席を汚す私は、今年の当番として、審査経過を報告するために壇上にいた。もとよりスピーチはからきし下手だから、原稿を用意した。会に集まっているのは、受賞者はもとより演劇関係者ばかりである。下手なエロキューションは無駄な抵抗とあきらめて、原稿を棒読みしていたところ、事件が起きた。<br />差し歯がぽろりと抜け落ちたのである。<br />とっさに右の手で、落ちた歯を受け止めた。<br />前列にはカメラもヴィディオも廻っている。スピーチを途中で止めるわけにはいかない。仕方なく、左の手で原稿を持ち、右の手で差し歯を握りしめ、右上の前歯にぽっかり穴を開けたまま私は話し続けた。<br />悪夢の時間が過ぎて、トイレに駆け込み、とりあえず差し歯を挿入してみた。<br />とりあえずは止まった。ぐらぐらはするが、どうしようもない。<br />会を早々に抜けると、打ち合わせが待っていた。半年前に事情があり延期してもらった中村勘三郎さんとの会合である。<br />話自体は、きわめて順調に進み、ステーキを食べた。これがよくなかった。席を移して、ワインを飲むことになった。<br />差し歯のことはすっかり忘れていた。<br />私の左隣には、勘三郎さんが座っていた。グラスを置いて、私はなにごとかを大声で話し出したときである。<br />またしても差し歯が落ちた。今度は手でつかみそこねた。<br />煙草のヤニで汚れた差し歯が、白いテーブルクロスに転がったのである。<br />一瞬、空気が凍った。<br />「ごめん、見なかったふりをしようとしたけど、見ちゃった、ごめん」<br />と、勘三郎さんの助け船が入った。なごやかな空気に戻ったが、穴があったら入りたいと、酔いは一瞬で覚めた。<br />こうした一連の悪夢の結果、今日、歯医者に行って大工事となった。<br />一時間半たっぷりかけて、残っていた歯根を抜き取り、仮歯を入れる拷問を受けるはめになったのである。<br />一日に二度の恥をかいて、そればかりではなく、自費診療に追いやられ、しかも、苦痛に満ちた今日が待っていた。<br />これを悪夢と言わずにいられようか。<br />書き終わったら、さっき飲んだ鎮痛剤が効いてきた。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-87048372593408139322010-03-20T16:08:00.004+09:002010-04-25T14:06:09.129+09:00歌舞伎評についてこの4月から東京新聞の歌舞伎評を担当することになりました。昨年、面識のない記者のかたから突然、電話をいただき、私でいいのだろうかと自問自答を続けてきましたが、紙面の字数や書き方についても、相談にのっていただき、寛容なご理解を受けたので、引き受けさせて頂く事にしました。<br />思えば、東京新聞は、かつて伊原青々園が健筆をふるっていた都新聞の伝統を受け継いでいます。その紙面で歌舞伎評を書くことができるのは、演劇評論家にとって名誉であり、重大なことと受け止めています。<br />私は二十代半ばに、「流行通信」に思いがけなく劇評を書く場を与えられ、その後も、「新劇」「日本経済新聞」「文学界」などに連載を続けてきました。四十代半ばまでは、小劇場を中心とした現代演劇の評論家でした。<br />これまで出版した書籍も、デヴィッド・ルヴォー、蜷川幸雄、野田秀樹を核としてきました。ところが、四十代半ばになって、中村勘三郎がコクーン歌舞伎、平成中村座など革新的な動きをはじめ、『野田版 研辰の討たれ』を皮切りに、野田秀樹との共同作業が進むようになってから、私も必然的に歌舞伎への傾斜を強めてまいりました。<br />十代から見続けてきた歌舞伎を仕事にするとは、三十代には思ってもおりませんでしたし、おぼろげながら、六十歳をすぎたら歌舞伎に専心できればいいなと思っていたのが正直なところです。<br />三十代の終わりに、歌舞伎座のお社に入れていただいてからは、いつ歌舞伎評を書いてもよいように準備をすすめてきました。幸い「演劇界」のおすすめもあり、たびたび歌舞伎評を書くようになり、また、ご縁もあって、近年は、「菊五郎の色気」(文春新書)「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」(岩波書店)と、歌舞伎の著作がふえてきました。<br />ようやくまがりなりにも心づもりが整ってきたところで、新聞の歌舞伎評を書く機会を与えられて、大変うれしく思います。<br />4月をもって、しばらくの間、歌舞伎座が閉場します。歌舞伎にとって象徴的な劇場がなくなったとき、本当の意味で、歌舞伎とは何か、その本質が問われる時期だと思います。<br />みなさまのご支援をよろしくお願い申し上げます。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-27690256299638186742010-03-14T20:16:00.000+09:002010-03-14T20:19:33.837+09:00恒例のあつまりもう、二年くらいになるでしょうか。歌舞伎座の御社日(招待日)のあと、少数でおでんとおさけを愉しむようになりました。<br />メンバーは、演劇評論家の上村以和於さん、矢野誠一さんと私の三人です。朝の11時から夜の9時まで、歌舞伎座で一日をすごした後は、やはりぐったりしています。明日への活力を求め、三人で旧奧村書店の地下にあるおでん屋、かめ幸に連れ立っていくようになりました。もちろん私が最年少ですので、おふたりの年月に裏打ちされたお話しを伺うばかりですが、とてもかえがたい時間になっています。私も五十を過ぎて、このようなおつきあいが生まれたことをとてもよろこんでいます。Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-83350556538750160722009-12-29T19:27:00.001+09:002009-12-29T19:27:08.141+09:00mini fall<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4218508876/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2666/4218508876_50d75bbb68_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4218508876/">mini fall</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-27488541942630489532009-11-16T00:42:00.001+09:002009-11-16T00:42:59.565+09:00at the UK embassy to Japan.<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4106159834/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2619/4106159834_e796341a28_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4106159834/">at the UK embassy to Japan.</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-47229905473143286622009-11-07T14:19:00.001+09:002009-11-07T14:19:35.555+09:00I was thunderstruck at the news of his death.<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4080721254/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2626/4080721254_7c61a5e2dd_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4080721254/">I was thunderstruck at the news of his death.</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div>同僚の渡辺好明先生が、4日、突然、亡くなられました。<br />この写真は、10月28日の講評会で、私が撮影しました。<br />左にいらっしゃるのが、渡辺先生ですが、お疲れの様子です。<br />これからお通夜に参りますが、悲しみでこころがいっぱいです。<br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-18389542798941783172009-10-17T03:47:00.001+09:002009-10-17T03:47:39.490+09:00a lawn<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4017074200/" title="photo sharing"><img src="http://farm4.static.flickr.com/3532/4017074200_64ab19d55c_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4017074200/">a lawn</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-54149164805470358372009-10-17T02:42:00.001+09:002009-10-17T02:42:15.243+09:00a nightmare<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4016658315/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2631/4016658315_74dc425dc5_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/4016658315/">a nightmare</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-87146282089767950982009-10-08T11:42:00.001+09:002009-10-08T11:42:36.235+09:00time broken<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3990636518/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2639/3990636518_ef71780a5a_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3990636518/">time broken</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-17305124468846161452009-09-26T14:15:00.001+09:002009-09-26T14:15:13.309+09:00He looked at himself in a mirror.<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3948143502/" title="photo sharing"><img src="http://farm3.static.flickr.com/2517/3948143502_b1787a85df_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3948143502/">He looked at himself in a mirror.</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-1618960978504983293.post-74921364257559165262009-09-23T01:47:00.001+09:002009-09-23T01:47:14.675+09:00A pigeon is cooing.<div style="float: right; margin-left: 10px; margin-bottom: 10px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3865868858/" title="photo sharing"><img src="http://farm4.static.flickr.com/3530/3865868858_486ed7a986_m.jpg" alt="" style="border: solid 2px #000000;" /></a><br /><span style="font-size: 0.9em; margin-top: 0px;"><a href="http://www.flickr.com/photos/hasebe56/3865868858/">A pigeon is cooing.</a><br />Originally uploaded by <a href="http://www.flickr.com/people/hasebe56/">hasebe56</a></span></div><br clear="all" />Hasebehttp://www.blogger.com/profile/03233768193586172012noreply@blogger.com